枝葉ではなく幹を直そう
こんにちは。クリエイティブ集団COW AND CATの丹波です。
前回は、文章や文単位の問題点とその修正方法についてご紹介しました。
しかしこれは木で言えば、枝ぶりを直す、枯れた花を摘むと言ったレベルの修正です。
これでもピンと来る文章、人を惹きこむ文章にならない場合は、幹の方を触らなければなりません。それが「内容の構成」を考え直す、と言うことです。
構成が読者の読み続ける意欲を左右する
今回はその「構成」について、解説したいと思います。
構成とは何か
まず、構成とは何でしょうか。それは簡単に言って、あなたが「伝えたいことの順番」を「相手に分かりやすく」「魅力的にする」ということです。
あなたの周りによくいませんか?
「ね、ね、聞いて聞いて」
と飛んでくるのですが、いったい何について話しているのか?何が話したいのか?全く分からない人が。
そうかと思うと、こちらが仕事の手を止めてまでも、「それで?それで?」と聞いてしまうような話上手の人もいます。
多分どちらの人も同じ話をしているのです。ただ、「話し方」が違うだけなのです。
片方の人は「自分が話したいことから話す」のに対して、もう1人の人は「大事件よ~」「あなたって○○さんについてどう思ってる?多分それって騙されてるわよ」と言って「最初に相手の興味を引いてから話す」と言う違いがあるはずです。
文章、本における「構成」とはまさにそれです。
構成の4パターンを活用しよう
自叙伝を書く場合、その構成のパターンは以下のように4つあります。
1.最も重要な転機から
あなたの人生で最も大きな事件、価値観が変わった出来事から始め、その前の人生、その後の人生をつなげるパターンです。
例を挙げると以下のような感じです
- 左遷
- 落ち込み、自暴自棄
- ある人の働く姿の目撃
- あなたの心の中の変化・気づき
- そもそものあなたの出生
- 学校生活
- 入社後の順調な出世、家庭
- しかし・・左遷
- 心が変化した後の働き方自己改革
- 本社栄転、家庭での変化
- その後の仕事や人生
最もドラマチックな構成ですから、多少文章が荒れていても「構成で読ませる」ことが可能です。
内容は、前回「カードに書く」ということをしていますから、この構成のそれぞれの章に当てはまるカードを配し、順番に書いていくだけなので、意外に簡単です。
ただし、最初の「人生を変える出来事」が「本当に人生を変えるほど大きな話だね」と納得してもらえるかが勝負です。
2. 逆説
一般的なストーリー展開とは逆順に構成することで、読者の興味を惹きつける方法です。例えば、現在の状況から始まり、過去を振り返るという構成です。
- 現在の人生
- 出生~学校~就職
- 幸せだった就業時代
- 大きな失敗
- 人生を変えた言葉
- 原点回帰
- 未来への展望
最初に現在=ゴールを示し、そこで「人減の人生で最も重要だと気づいたこと」などを書くと、なぜそのように考えたのか、そpの詳しい内容はどういうものか、ということを知りたくて、読者は読み続けるでしょう。
3. 時系列順
これは最も一般的な構成パターンです。生い立ちから始まり、人生の重要な出来事や転機を時系列順に記述していきます。読者は、最初は惹かれませんが、内容が分かりやすく、興味深いエピソードや業界人だけが知っている秘密などが織り込んであれば、読み続けさせることができます。
もっとも分かりやすく、書きやすい構成ではあります。ただあなたの成長過程や経験を興味を惹くように書かなければ、読者は読んでくれません。
- 幼少期
- 学生時代
- 社会人時代
- 結婚・出産
- 転職
- 定年退職
- 現在
4. テーマ別
あなたの人生をテーマごとに分けて語る構成です。これも書きやすいですし、読者は自分の興味のあるテーマから読めますから、全部を丸ごと読んでもらえない、と言うことはありません。
最初に選んだテーマが面白ければほかのテーマも読んでくれるでしょう。
逆に言えば、最初のテーマがつまらなければ、そこで読むことは止められてしまいます。
- 家族
- 叶わなかった夢
- 仕事の成功
- 仕事の失敗
- 新たな夢を追いかけた日々
- 困難を乗り越えた経験
- 人生で学んだこと
読んでもらえる本は構成がしっかりしている
いかがですか。エピソードは何とか集めたけれど、この先どうしていいか分からない、という人はぜひ上の4パターンのどれかを選んで書いてみてください。
気負わなくても大丈夫です。1つの構成がしっくりしなければ、そこでやめてほかのパターンに変えて最初から書けばいいだけですから。
ただこのような作業を1人でするのは不安だ、誰かのアドバイスが欲しい、と言う場合はお気軽にクリエイティブ集団 COW AND CATにご連絡ください。適切なアドバイスをして、「あなたの人生のエピソードをどう校正すれば、一番読者を惹きこめるか」というご提案をさせていただきます。