中国対アメリカ、台湾、日本戦は後者の24戦22勝
アメリカ有数の安全保障に関するシンクタンクである「CSIS」(戦略国際問題研究所)が中国による台湾侵攻に関するレポート“The First Battle of the Next War: Wargaming a Chinese Invasion of Taiwan”を公開しました。
その結果24回の変数を変えたシミュレーションを行った結果、22回中国が負ける、という結果が出ました。
シミュレーションの問題点
しかし内容を見ると、いろいろと問題があります。まず戦争の大前提となる点について
・台湾は途中で降伏しない
・日本はアメリカ軍と一緒に参戦する
・アメリカ軍は日本のアメリカ軍基地から出撃する
となっている点です。
勝っても被害は中国よりも甚大
そして結果ですが、22勝の中身も台湾+アメリカ+日本が中国に大勝するわけではなく、22回の代替の平均で言うと、台湾は空海軍とも全滅します。
アメリカ軍は空母2隻を含めた艦船17隻、戦闘機270機を失い、日本は艦船26隻、戦闘機112機を失います。
これに対して中国は138隻の艦艇を失うが半分が揚陸艇など小型のものである。戦闘機は155機失います。
戦死者(兵士)はアメリカが1万人、中国が2万人、ほかの2国に関しては明らかにせず。
ということでした。
つまり台湾+アメリカ+日本が中国に勝つ、と言っても被害は台湾+アメリカ+日本の方が甚大なのです。戦死者も恐らく自衛隊だけで数百人以上は出るでしょう。台湾に至っては海空軍全滅ですから相当の死者です。ですので、
「やれば勝つじゃないか」
と安心してはいられない、ということです。
2戦目は中国が楽勝
加えて、台湾+アメリカ+日本が勝つと言っても、中国が「台湾の数%」を占領するが、補給線を絶たれて全滅するため、中国が負ける、ということですので、まだ主力軍が残されている中国が2戦目、3戦目を挑んできた場合には、おそらく台湾は中国に占領されてしまうでしょう。
そのような危うい「第1戦目の勝利」だということを、まずこのシミュレーションから学ばなければなりません。
日本の首相に戦争参加、在日アメリカ軍基地使用許可のGOが出せるか
そして戦争の前提となっている「日本軍が参戦する」「日本のアメリカ軍基地を使用させる」という点です。
戦端が切られた時に、野党が何を言おうがデモが起ころうが、無理やりにでもこれのGOを出せるだけの胆力のある人間がその時首相になっている必要があります。
これが実は1番の問題点ではないかと思っています。
例えば岸田首相の時に起こったら「検討して」と言っている間に数週間たつでしょう。
24戦のうちアメリカ軍が大敗した2敗のうちの1つは、日本がアメリカに日本の基地を使わせない、という場合です。つまり日本の首相が、剛腕で戦争に突入しないと1戦目でまけてしまうのです。
その時どうなるかというと、今度は中国は沖縄を狙うでしょう。
しかしその時「裏切られた」アメリカが日本を守ってくれるはずはありません。
さっさと防衛線をグアムまで下げて、日本を見殺しにするでしょう。ほとんど戦力のない日本はあっという間に中国領になります。
つまり、このシミュレーションから最も危機感を覚えなければならないのは、日本の指導者をこの有事に備えられる人材に早く変えなければならない、ということなのです。
- 岸田?NO!
- 河野?絶対NO!むしろ、日本が負けるように仕向けるでしょう。
- 麻生?NO!その年では無理です。
- 石破?河野と同じ!
- 萩生田?それだけの胆力があるとは思えない。
こうやって消していくと、はっきり言って高市さんしかいないのですが、それはここでは議論しないでおきましょう。
シミュレーションをシビアに見てどうするか考えるべき
いずれにしても、このシミュレーションはアメリカ国民に「これだけ被害が出ても台湾を守りますか?」ということを、共和党のラインが示させたのだろうと私は思いますが、しかし(シミュレーションなのでまだ前提条件などいろいろ変数はあるにせよ)24回きちんとコンピューターで戦わせた結果、こうなったのです。
もう1回書くと、日本が参戦すれば1戦目は勝つ。
しかし2戦目を挑まれたら、負ける。
ということです。
そのためにやるべきことは、軍備を増強させることもありますが、何より日本のリーダーをちゃんとした人間にすること、だと思います。
そして1勝した段階で、講和に持ち込むことです。
それがある意味全てです。
追記
東アジアの逆さ地図を見てください
中国にとって台湾は東アジアの自由主義国最前線を一緒に構成している国なのです。攻めるなら一緒なんです。
やられる時も一緒なんです。