はじめに
変化の激しい現代社会において、創造性と柔軟性は、あらゆる分野で成功するために不可欠なスキルとなっています。新しいアイデアを生み出し、変化に適応し、問題を解決するためには、これらのスキルを磨くことが重要です。
企業における創造性と柔軟性
企業においては、たとえばマッキンゼー・アンド・カンパニーが、世界中の様々な業種、規模の企業1,000社にたいして2021~2022年に行った調査では
マッキンゼー・アンド・カンパニー
- 創造性が高い企業は、そうでない企業よりも収益が12%、利益が21%高い
- 柔軟性が高い企業は、変化への適応が早く、収益成長率が高い
- 創造性と柔軟性を兼ね備えた企業は、最も高い収益と利益を達成している
という事実を紹介しています。
創造性と柔軟性を身に付け成長した企業
以下では、創造性と柔軟性を重視して成功した企業の例をいくつか紹介します。それぞれの企業がどのような取り組みを行ったのか、そしてその成果について詳しく説明していきます。
1. ピクサー
アニメーション映画制作会社であるピクサーは、創造性と柔軟性を企業文化の中核に据え、数々のヒット作品を生み出してきました。
取り組み内容
- 失敗を恐れない文化: ピクサーでは、失敗を学びの機会と捉え、積極的に挑戦することを奨励しています。
- 多様な人材の登用: 異なるバックグラウンドを持つ人材を採用することで、多様な視点を取り入れ、新しいアイデアを生み出す環境を作っています。
- フラットな組織構造: 上下関係にとらわれず、自由に意見交換できるフラットな組織構造を採用しています。
- 従業員の自主性を尊重: 従業員の自主性を尊重し、個々の創造性を発揮できる環境を作っています。
成果
- トイ・ストーリー、モンスターズ・インク、ファインディング・ニモなど、数々のアカデミー賞受賞作品を生み出しています。
- 高い顧客満足度: ピクサー作品は世界中の観客から愛されており、高い顧客満足度を誇っています。
- 強い競争力: 創造性と柔軟性を活かした革新的な作品作りによって、強い競争力を維持しています。
出典
- [ピクサー流 創造するちから]
- Pixar’s Secrets to Success
2. 3M
多角化企業である3Mは、イノベーションを企業文化の中核に据え、数々の画期的な製品を生み出してきました。
取り組み内容
- 15%ルール: 従業員に対して、勤務時間の15%を自由に使える時間 (自由時間) を与えています。この自由時間で、従業員は自分のアイデアを試したり、新しいことに挑戦したりすることができます。
- 失敗から学ぶ: 失敗を恐れない文化を築き、失敗から学び、次に活かすことを重視しています。
- 多様なアイデアの提案: 従業員に対して、積極的にアイデアを提案することを奨励しています。
- オープンイノベーション: 社内外からアイデアを積極的に取り入れ、イノベーションを促進しています。
成果
- ポストイット、スコッチテープ、テーピング用遮光テープなど、数々の画期的な製品を生み出しています。
- 高い収益性: 3Mは、高い収益性を誇る企業として知られています。
- 強い競争力: イノベーションを活かした事業展開によって、強い競争力を維持しています。
出典
- 3Mのイノベーションを生み出す仕組み
- The 3M Way: A History of Innovation
3. 任天堂
ゲーム機 and ビデオゲーム 会社である任天堂は、常に新しいアイデアに挑戦し、独創的なゲームを生み出してきました。
取り組み内容
- 遊び心: 任天堂は、遊び心を企業文化の中核に据え、楽しく遊べるゲーム作りを重視しています。
- リスクを取る: 新しいアイデアに挑戦することを恐れない文化を築き、リスクを取ることを奨励しています。
- 失敗から学ぶ: 失敗を恐れない文化を築き、失敗から学び、次に活かすことを重視しています。
- ユーザーの声を聞く: ユーザーの声に耳を傾け、ユーザーニーズに合致したゲーム作りを
- 社内起業制度: 従業員に対して、新しい事業を立ち上げるための社内起業制度を設けています。
- オープンイノベーション: 社内外からアイデアを積極的に取り入れ、イノベーションを促進しています。
成果
- スーパーマリオ、ゼルダの伝説、ポケモンなど、数々の世界的ヒットゲームを生み出しています。
- 高いブランド認知度: 任天堂は、世界中で高いブランド認知度を誇る企業です。
- 強い競争力: 独創的なゲーム作りによって、強い競争力を維持しています。
出典
- 任天堂のイノベーションを生み出す仕組み
- The Nintendo Way: A History of Innovation
4. グーグル
検索エンジン and インターネット関連サービス 会社であるグーグルは、フラットな組織構造 and 従業員の自主性を重視し、イノベーションを促進しています。
取り組み内容
- 20%ルール: 従業員に対して、勤務時間の20%を自由に使える時間 (20%ルール) を与えています。この20%ルールを使って、従業員は自分のアイデアを試したり、新しいことに挑戦したりすることができます。
- フラットな組織構造: 上下関係にとらわれず、自由に意見交換できるフラットな組織構造を採用しています。
- 従業員の自主性を尊重: 従業員の自主性を尊重し、個々の創造性を発揮できる環境を作っています。
- オープンイノベーション: 社内外からアイデアを積極的に取り入れ、イノベーションを促進しています。
成果
- Google検索、Gmail、YouTubeなど、数々の革新的なサービスを生み出しています。
- 高い成長率: グーグルは、高い成長率を誇る企業です。
- 強い競争力: イノベーションを活かした事業展開によって、強い競争力を維持しています。
個人レベルで創造力と柔軟性を身に付ける方法
一方個人のレベルでこの2つの相関を示すことは、なかなか難しいようです。
しかしシェーンスノウが「創造力と柔軟性を兼ね備えたリーダーに変わる方法」(『ハーバードビジネスレビュー 2019)で以下のように紹介しています。
優れたリーダーの資質はそれと真逆である。創造力と柔軟性を兼ね備え、何事にも自分なりの意見を持ちながら、間違っていればその考えをすぐ変えられるような人間である。
歴史を見ると、政界もビジネス界も、ストイックで予測可能で毅然としたリーダーを選びがちだ。だが研究によれば、本当に必要なリーダーシップは、真逆の性質によって特徴づけられる。すなわち、創造力と柔軟性である。フランクリンのような人が必要なのだ。賢くて意思が強く、素晴らしい行動を取るよう周囲を説得でき、かつ人とは違う考え方を持ち、自分が間違っていた場合にはそれを認め、変化の激しい状況に適応できる柔軟な人材である。
(なかなかこの関連性は明確に示せなかったが)画期的だったのは、「知的謙遜」と呼ばれる宗教的コンセプトに研究者が着目したことだ。2016年、ペパーダイン大学の教授陣が、知的謙遜のコンセプトを4つの要素に分解し、それを測定する評価方法を発表した。
- 他者の意見を尊重する
- 自分の知性を過信しない
- 自我と知性を区別する
- 自分の見解を見直す意志を持つ
知的謙遜を高める方法を模索するには、各項目の点数を決定的に高める方法に関するさらなる調査などが必要だが、ベンジャミン・フランクリンがとりあえず、誰でもいますぐ使えるテクニックを少なくとも1つ示してくれた。
彼は常に学び成長したいと考えていたので、自分の知性に自信を持ちすぎないよう努力した。「私が間違っているかもしれないが……」と言うのは、話し相手の自己防衛心を緩めるためだけではなかった。考え方を変える開放性を、みずからに持たせるためでもあったのだ。
彼の意見に反論する人が議論に勝ったら、こう言えばいいのだから。「ね、言った通りでしょう?『私が間違っているかも知れないが……・』と言いましたよね。やはり私は間違っていました!」と。
シェーンスノウが「創造力と柔軟性を兼ね備えたリーダーに変わる方法」(2016)
つまり自分を過信しないで他人の意見、知見、経験と同じ平面で検討することが「知的謙遜」であり、すなわち「柔軟性」ということなのです。
これが身に付けば、自分の頭が凝り固まることも、既存のパラダイムにすがり付くこともなくなるでしょう。つまり「創造性」を獲得することができるのです。
このように個人においても創造性と柔軟性は表裏一体のものとして、一方を身に付けようとすればも一方も自然に身に付く、あるいは身に付けなければならない、ということなのです。
上記で紹介した企業は、いずれも創造性と柔軟性を重視することで、成功を収めています。これらの企業の取り組みは、私たちにとっても参考になるはずです。
では、実際に創造性と柔軟性を身に付けるにはどのような努力をしたらよいのでしょうか。
創造性と柔軟性を身に付けるには
創造性とは、独創的なアイデアを生み出す能力です。一方、柔軟性とは、状況に合わせて考えや行動を変えられる能力です。これらのスキルは、互いに密接に関係しており、どちらも個人の成長と発展に大きく貢献します。
創造性と柔軟性を身に付ける方法
個人が創造性と柔軟性を身に付けるためには、様々な方法があります。以下に、いくつかの例をご紹介します。
- 新しいことに挑戦する: 自分の安全地帯から飛び出し、新しい経験をすることで、創造性と柔軟性を刺激することができます。
- 異なる視点を持つ: 物事を多角的に捉えることで、固定観念を打破し、新しいアイデアを生み出すことができます。
- 失敗を恐れない: 失敗は創造性のプロセスの一部です。失敗から学び、次に活かすことで、成長することができます。
- 遊び心を持つ: 遊びを通して、創造性と柔軟性を解放することができます。
- 他者との交流: 異なるバックグラウンドを持つ人と交流することで、新しい視点を得ることができます。
- 研修を受ける: 創造性や柔軟性を高めるための研修を受けることで、スキルを磨くことができます。
柔軟性と創造性を身に付けた時のメリット
その結果、以下のようなメリットを得ることができます。
- 問題解決能力の向上: 創造性と柔軟性があれば、複雑な問題を解決するための新しいアイデアを生み出すことができます。
- イノベーションの促進: 新しいアイデアを生み出すことで、イノベーションを促進することができます。
- ストレスへの適応: 変化に柔軟に対応することで、ストレスを軽減することができます。
- キャリアアップ: 創造性と柔軟性は、キャリアアップに役立つスキルです。
創造性と柔軟性は、現代社会において企業が成功するために不可欠な要素です。変化の激しい環境の中で生き残るためには、新しいアイデアを生み出し、変化に迅速に適応することが重要です。
まとめ
以上述べたように、企業が成長するためには、創造性と柔軟性を重視した企業文化を築くことが重要です。そのために、従業員の自主性を尊重し、失敗を許容する環境を作ることが大切です。
ところが、いうのは簡単ですが「企業文化」「社内風土」を作る、あるいは「変える」ということは非常に困難です。おそらくこの件について責任を持っている社長様や役員様、あるいは実務レベルで方法を模索している人材開発、組織改革ご担当者様は頭を抱えているでしょう。
そういう方こそぜひ弊社にご相談下さい。弊社はもともと「人材開発」からスタートした研究所ですが、人材開発とは「潜在能力を引きだす」ことにほかなりません。そのためには、企業風土、企業文化を」変えることが必要ですが、その間に一帯、マネジメント変革、人事制度の変革、研修の教え方の変革、モチベーションの与え方、営業マネジメントの変革など、多々やるべきこと、あるいは手を「打てること」があります。
私たちも、その都度必要なものを開発し、組織が発展するように、人材開発を体系的に幅広いものにして来ました。ですから、どのような内容でもご相談いただければ、恐らく何らかのお手伝いができると思います。
そして多分、それは「わが社はコーチング」「わが社は360度調査」などと自社の枠組みを固定している企業(その方が経営は楽なのですが)に比べて、それこそ柔軟性を持ち、その結果創造的に御社の問題の解決をお手伝いできると思います。
ぜひ一度、こちらまでご連絡下さい。もちろん、ご相談の段階は全くの無料です。
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