Z世代を戦力化する! 人材開発担当課長のための最強ガイド

はじめに

近年、企業にとって人材育成はますます重要になっています。特に、デジタルネイティブで価値観が多様化しているZ世代の育成は、多くの企業にとって課題となり、私たちにも多くのご相談をいただいています。

sこでここではZ世代の特徴、モチベーション、そして企業での育成方法について詳しく解説します。

1. Z世代とは?

Z世代とは、1997年から2012年頃に生まれた世代を指します。インターネットやスマートフォンが普及した環境で育ち、情報収集やコミュニケーション手段としてデジタルツールを日常的に利用しているのが特徴です。

1.1 Z世代の定義と境界年

一般的な定義:1997年~2012年生まれ

拡張的な定義:1990年代後半~2010年代前半生まれ(1995年~2010年頃)

いずれにしても現在25歳から40歳ですから、まさに実務能力も身につき、同時に市場、社内風土、マーケティング戦略、人材開発戦略、製品開発などマネージャークラス、ジュニアマネージャークラスとして企業活動の根幹を担っている世代だと言えます。

1.2 Z世代と他の世代の比較

Z世代とほかの世代の比較をしてみるとその特徴が一層明らかになります。

ミレニアル世代:1981年~1996年生まれ。インターネットが導入されて、コンピュータオタクでなくても電子メールなどのやり取りができるようになる世代。

Z世代 :1997年~2012年生まれ。生まれながらにコンピュータがあった時代に育つ。しかしまだ表計算などが主な用途であり、興味を持った人間がインターネットの掲示板などに書き込みをし始める。

アルファ世代:2013年~生まれ。スマートフォン、タブレット端末などが生まれた時から手元にある世代。親が子供をあやすために、Youtubeの動画を見せるのが普通の世代。

2. Z世代の心理的・性格的特徴

Z世代には、以下のような心理的・性格的特徴がある。

  • 主体性と自律性が高い:インターネットを通じて情報収集や意思決定を自分で行うことに慣れているため、主体性と自律性が高い傾向がある。
  • 多様性を尊重する:様々な価値観や文化に触れる機会が多いため、多様性を尊重する。
  • フィードバックを重視する:常に向上心を持っており、具体的なフィードバックを求める。
  • ワークライフバランスを重視する:仕事とプライベートの両立を重要視し、長時間労働を好まない。
  • 目的意識と意義を求める:単なる作業ではなく、仕事に目的意識と意義を求める。

3. Z世代のモチベーション

Z世代のモチベーションは、以下の要素によって大きく影響を受けている。

  • 成長:常に学び、成長したいという欲求が強い。
  • 貢献:社会に貢献したいという意識が高い。
  • つながり:仲間やチームとのつながりを重視する。
  • 自律性:自分で考え、行動したいという欲求が強い。
  • 楽しみ:仕事を楽しむことを重視する。

4. Z世代のモチベーションを上げる方法

今後、より一層責任ある仕事をZ世代のモチベーションを高めるためには、以下の施策が有効である。

4.1 成長機会の提供

新しいスキルや知識を習得できる研修やトレーニングプログラムを提供する。

部門を越えた挑戦的なプロジェクトを設け、自主的な参加を促進させる。

メンター制度を導入し、先輩後輩間のネットワークによって、問題解決、会社への帰属意識を醸成し、離職率を下げる。

4.2 社会貢献できる環境づくり

1995年の「阪神淡路大震災」以降、Z世代の中に社会貢献、ボランティアと言う意識が生まれてきたように感じる。そのような世代が気軽に社会貢献活動に参加できるように、ボランティア休暇などの人事上の制度改正を設ける必要がある。この「他のために貢献する」と言う意識は、間違いなく将来の日本人の国民的メンタリティーを変え、政治状況も変えて行くはずである。

4.3 チームワーク重視の文化

多くのZ世代は「仲間」という意識に敏感である。あるいは「私的集団に帰属している」意識が非常に重要である。従って企業でも、今まで個人がしていたバラバラな仕事を、1つのチームにまとめ、そ今所属した人間がシェアしながら進めて行く、と言うような「チーム業務」の形を作ることが大きな流れになるはずである。

またそのような意識を会社として後押しすることも重要だろう。そのためには多様な価値観を、Z世代より上の世代でも、あるいは経営苑もとして受け入れる風土を醸成していくことである。

4.4 自律性の尊重

自ら考え、行動できる環境の中にいた方がZ世代のモチベーションは上がる。従って、テレワークやフレックスタイムなどの制度は最低限必要だろう。

そして自律性を評価するという意味で「成果主義」的な評価制度も必要になる。ただし「結果」としての「成果」ではなく、「挑戦した」こと自体を成果としてカウントする制度にして行くことが重要である。

5. 興味と異なる部署に配属されたZ世代のモチベーションアップ

現代の企業の大きな悩みの1つは、新卒採用した人間が非常に短気間で(場合によっては翌日に)退職してしまう、ということである。この原因は「思っていたことと違う」と言うことだが、それが社風の場合も、会社と言う組織の場合もあるが、多くは「仕事の内容」である。

つまり自分が興味を持っていることと関われると思って入社したが、案に相違してそれとは異なる部署に配属された、と言うことである。かと言って企業活動と言うものを知らない人間が想像していた部署や仕事に拝蔵することは、本人にとってももちろん企業にとっても良いことではない。

問題はZ世代に、その仕事の社会場を的価値、社内的価値をしっかりと伝えらえていない、その意義を実体験できる場を与えていないということである。Z社員のメンタークラスとマネージャーたちが、自社の存在意義をしっかり認識できるような体験をさせることである。

6 Z世代のメンタリティを理解する

以上を実現するためには、何よりZ世代のメンタリティの特徴を理解することが大切である。

彼・彼女たちの特徴は「目立ちたくない」と同時に「やりがいのある仕事を求める」という二律背反のという、一見矛盾した心理である。この点について、理解の助けとして少し詳しく説明する。

6.1 Z世代の「目立ちたくない」心理の背景

Z世代は、SNSやインターネットを通じて常に他人と比較される環境で育った。その結果、人前に出ることを避け、目立たないようにすることで、自分自身を守る心理が醸成された。逆の例になるが、学校においていじめられるのは「目立った人間」なのである。それは周囲より少し優秀か(極めて優秀な場合は、むしろ一目置かれる)、少し劣った人間である。だから彼らは、授業でも積極的に質問したり、挙手したりしない。

また、Z世代は主体性が高く、自分の意見や考えを積極的に表現することを好む傾向も同時にある。ところが「目立ちたくない」意識がそれを邪魔させるのである。従って、たとえば意見を言わすにしても「記名」では絶対に出て来ない。「無記名」になった途端、怒涛のように意見や主張が押し寄せるのである。

3.2 Z世代の「やりがい」への欲求

一方で、Z世代は単なる安定した仕事ではなく、やりがいのある仕事を求めている。これが「いい大学に入って大企業に就職する」のではなく「いい大学に入っても、自分が面白いと思った、価値があると思った中小企業や、NGOへの就職」という現象に現れている。

特にZ世代は、社会問題や環境問題など、様々な社会課題に関心を持ってる。そして、自分たちの力で社会に貢献したい、世界を変えたいという強い思いも持っている。

これが自然災害があった現場へ、わざわざ休暇と取ったり、貴重な長期休暇を使って、ボランティアに訪れる行為として表れているのだ。

6.3 Z世代の育成における課題

ここまで述べたように、Z世代の「目立ちたくない」心理と「やりがい」への欲求を理解し、バランスをうまく取ることが、Z世代を効果的に育成する鍵となる。

従って以下の点に企業は流離する必要がある。

個々の個性や価値観を尊重する:Z世代は多様性を受け入れ、尊重する傾向があります。それはたとえばスーツを着ない、と言うような個性ではない。このような「規範」には逆に彼・彼女たちは実に素直に従う。そうではなく、仕事を任せた時に、その目的、進め方などを自由に任せ、承認し、上司はそのしりぬぐいをすることを覚悟しておくことが重要なのである。

主体性を引き出す:Z世代は主体性が高く、自分で考え、行動することを好む傾向にある。しかし、社内状況、市場環境、あるいは社内慣行などの点で、彼・彼女たちの思った通りに仕事を進められない可能性が発生する。これはZ世代が離職する大きなきっかけである。従って、仕事を任せる時に与件として、以上で上げた点は全て伝えるjとが重要である。そうすればゲームのルールが最初から分かっている中で仕事をするため、不満にはならない。ただし、最初に挙げた障害以外が発生っした場合は、上司は責任をもって、Z世代の提案などを通す覚悟が必要である。フィードバックを積極的に行う:Z世代は常に向上心を持っており、具体的なフィードバックを重視します。定期的にフィードバックを行い、成長を支援することが重要です。

チームワークを重視する:Z世代はチームでの仕事の仕方を好む傾向にある。従って、上記なども1人に任せるのではなく、部門横断型で最初からタスクフォース型で課題に取り組ませることの方が良いだろう。これは将来的にも、非常にアドバンテージのある方法である。

まとめ

以上のような点に気をつければZ世代の育成は、かなり良い結果を出すはずである。またこれに取り組むことで、しがらみと過去のルールに縛られた企業の固陋な考えや風習を一掃することもできるかも知れない。