自費出版で印税?お客さん、それサギですよ。

オンデマンド印刷を標榜する「自費出版社」

先日、徒然とネットサーフィン(古い言い方ですが)をしていたところ、「令和時代の自費出版とは?」という記事を見つけました。

弱小ながら、小粒でも辛いぞ、という意気込みで出版サポートビジネスを運営している私にとっては、見逃すわけには行きません。

そこで早速そのサイトに飛んでみると、要は私たちが著者様に出版サポートしている、オンデマンド印刷のことを指しているようでした。

そのようなものは令和以前からありますので、多分このサイトを運営元が、仮面をかぶって出している、ある意味でのLP(ランディングページ。検索に応じて表示される、プロモーションサイトです)なだけでした。

商業出版社の99%はサギ。自費出版社の中にもある

まあ世の中には、商業出版、自費出版の怖ろしい仕組みをご存じない方も多いので、このような詐欺的なサイトにはまってしまう場合もあるのでしょう。

一応、詐欺の手口を知っておけば、それに騙されそうな方を救うこともできるので、そのサイトを読み進めると、何と驚いたことに「自費出版の印税は10~50%」という文言があったのです!

自費出版で印税?

自費出版で印税?

ご存じの方はご存じのように、自費出版は「全額出版費用を著者様が負担する」出版方法です。

従って、たとえば1冊500円で作った本を、書店などを使わず、自分の人脈や、インターネット広告などを使って2000円で販売した場合、その人の手元には1500円の利益が残ります。

自費出版、とはそういうものです。

ところがそのサイトでは、1冊500円で作った本を自分で2000円で売ると、なぜか最大50%、つまり1000円の「印税が入る」らしいのです。では残りの500円はどこに行くかと言うと、多分、このサイトを運営している会社の懐に入るのでしょう。

つまりこの会社は完全な詐欺を行っているのです。

「印刷費用は29万円から」などと安く本を出版できるようなことを言って出版希望者を集め、その人たちをダマして毎日美味しい晩御飯を食べているわけです。

本当は企業名も晒して、本を出版したいという人に注意喚起したいのですが、名誉棄損などで訴えられても面倒くさいので、できません。

ただ「そういう自費出版サギ」もあるのだということだけ、ご注意くださいと書いておきます。

私も出版サギにはまりそうになりました

その点、というのも何ですが、私も以前「著者」として自分の本を出したいと思い、山ほど商業出版社、自費出版社を当たりました。

その結果分かったのは「どの出版社も、本を出したい人を上手くダマクラかして、儲けることだけを考えているんだな」と言うことでした。

「義憤」ではありませんが、だったら自分で「ガラス張りの料金体系で」「なおかつ業界最低料金」の出版社を作ろうと思い、立ち上げたのが「クリエイティブ集団 COW AND CAT」という出版サポート会社です。

完全「ガラス張り」の料金体系

ここでは、すべての料金がガラス張りです。

たとえば印刷、販売はAmazonのシステムを使うので、原稿の仕様もAmazonに合わせなければなりません。その仕様を守った原稿を私たちに入稿していただければ、あとはAmazonの手続き、出版コードの手続き、表紙の作成、文章の体裁などを全部こちらで行って、その手数料が5万円です。

ここに、校正作業が加わると、本になった時のページ1枚につき250円の作業量をいただきます。200ページの本なら5万円です。

あるいは、今は何となく漠然としたアイデアしかないけれど、それを本にしたいということであれば、まず企画・構成の費用として15万円が発生します。

そこからAmazonに入稿できる原稿まで私たちが作ったとすると、400字詰め原稿用紙1枚あたり3000円をいただきます。たとえば200枚の原稿を書き起こしたとすると(本になった時には120ページほどですが)、200枚✕3000円=60万円です。先ほどの企画構成費用と合わせて、総額75万円です。

つまり基本費用5万円から、あとはどれだけの分量の原稿を、どこまで私たちが請け負うか、ということだけで料金が決まるのです。

多分、ここまでガラス張りの料金体系を著者様に示しているのは、私たちくらいでしょう。

この方法だから「本で世界を変える」可能性が生まれる

正直、余り利益は上がりません。しかし、それでいいのです。

この方法でなら、今まで商業出版や自費出版の費用の高さで断念していた方も出版できます。その中には、本当に読者を啓蒙したり、励ましたり、常識のひっくり返したりする本があるはずです。

その、もしかしたら埋もれていた、重要な価値のある本を出版することが、私たちのビジョンである「本で世界を変える」ことにつながるでしょうから。