すぐゴミ箱に捨てられない自叙伝の書き方③~人生のクライマックスから書く

自叙伝のクライマックスを探しあてる。

前回は、あなたの人生はドラマになり得る、と言う前提で、①人生を振り返る時には「事実」ではなく「エピソード」として自分の気持ちや、それに対して今振り返ってどう思うかを書くか、②そしてカード式に書き留める、ということをお伝えしました。

今回は、そのあなたの人生の断片から何をメインにして自叙伝を書くか、そしてその時の自叙伝全体の構成をどうしたらいいか、と言うことについて、ご説明したいと思います。

ただ派手な出来事が「クライマックス」とは限らない。

①あなたの人生のクライマックスは何か

まず自叙伝の中心に据える「あなたの人生のクライマックスは何か」を探し出しましょう。

このクライマックスはたとえば「大学入試に合格した」でもいいですし「長年片思いだった人と結婚できた」といような、明らかに「クライマックス」だと思えることでももちろんOKです。

しかしここで少し考えていただきたいのは、今の自分の人格や価値観を作り上げるエピソード=人生のクライマックス、と言う考えからもあるということです。

それは小学校の理科の授業で体験した化学実験かも知れませんし、高校の修学旅行で行った古寺での感慨かも知れません。つまりいかにもクライマックス、という「派手な」出来事ではなく、人生の中のさりげない事実かも知れないのです。

ですから、まず今のあなたの「価値観」は何かを考えてください。「価値観」とは、あなたが絶対にこれだけは譲れない、という考え方であり、物ごとに迷った時に決断に導く「あなた自身の揺るがない方針」だとも言えます。

あなたの「価値観」を作ったきっかけがクライマックス

そして次に、なぜそのような「価値観」を自分が持つようになったのか、というきっかけを探しましょう。

たとえば、小学校の時に、歩道の段差で困っている車いすの人を手伝ってあげて、とても感謝されて、充実感を持った。それ以来「困っている人がいたら絶対に助けよう」と言うことを自分の生きる指針にした。

と言う事実があったら、まさにそれがあなたの人生のクライマックスです。そのようなささやかな事実が自分の人生の方向を決める、と言うことは、多くの人にとって共感できることです。

誰も彼も、「東宝ビューティガールコンテスト」で優勝した、と言うような派手な、明らかにクライマックスだというような体験はしていないのです。

クライマックスを柱に自叙伝の骨格を考える

②クライマックスを冒頭に持ってきて、そこからストーリーをつなげる

今挙げた方法であなたの人生のクライマックスを理解したら(この過去を振り返って、あなたの人生のクライマックスを探し当てる、と言うこと自体、あなたが自叙伝を書くことの大きな価値でもあります)、それを自叙伝の冒頭に持って来ましょう。

その上でカードに書いた人生の出来事を、それにつながるように並べて行きます。

この法則はありません。

もしかしたら、冒頭でクライマックスを書いておいて、話を生まれた時に戻してどこから時系列で出来事を並べる方法もあります。

あるいはクライマックスで得たあなたの価値観が、その後の人生でどう現れたか、というつなげ方でもいいでしょう。

さらに言えば、クライマックスの次に次に派手な出来事、を書いていったのでは読むほうが疲れてしまいます。ですから緩急を入れながら構成することが重要です。

そして繋がったら、改めて順番に読んでみると、「このことを書くためには、先にこれを書かなければならない」ということにも気づくはずです。

それらを修正したものが、あなたの仮の自叙伝の骨格になります。

以上があなたの自叙伝のクライマックスを探し出し、それを木の幹にしてどう枝や葉をつけるか、という話です。

そしてこの枝葉である、カードの順にあなたのエピソードを書いていけばいいのです。

ただ、先に書いたカードは「メモ」ですから、そのまま書いても読み手を惹きこむ物語にはなりません。

相手を惹きこむには「メモ」を「文章」にふくらませる、ことが重要です。その方法については、次の回にご紹介します。

いつでもご相談に乗り、お手伝いします

行き詰ったら、無理だと思われたらぜひご連絡ください。喜んでお手伝いします。

この方法で、あなたは人を惹きこむ「自叙伝」の骨格を作ることができますが、しかし「メモを書いたけれど何がクライマックスか分からない」「順序が思いつかない」という人もいるでしょう。

そういう方はぜひ私たち、クリエイティブ集団 COW AND CATにご相談下さい。

このような作業が面倒くさい、あるいは苦手だ、という方でも、私たちがあなたにインタビューして、あなたの記憶を掘り起こし、あなたの人生んクライマックスを探し出すことを始め、自叙伝を書くお手伝いをさせていただきます。

もちろん、最終的な文章にするまでワンストップでお手伝いします。場合によってはあなたのメモに従って、文章にするお手伝いもします。

「価値観」がどう生まれたかを思い出すことは人生を豊かにする

先に書いたように「自叙伝」の目的は「書くこと」だけではなく「思い出すこと」「人生でポイントとなった出来事」を探し当てることです。それはあなたの人生をより豊かにしてくれるでしょう。

ぜひ頑張ってください。そして難しそうな時には、ぜひ私たちにお手伝いさせてください。

このサイトの中にも貼ってありますが、ご相談フォームは、このURLです。

それでは次回を楽しみにお待ちください。