すぐゴミ箱に捨てられない自叙伝の書き方⑧~よい編集者を選ぶ

あなたの夢だった本を世に送り出すために、商業出版などを探しますが、その時のチェックポイントとして欠かせないのが「優秀な編集者」がいるか、と言うことです。

編集者といっても、所詮は1人の人間でサラリーマンですから、その「仕事ぶり」は千差万別。商業出版で本を出す場合、選択条件の1つとして考えなければならないのは、単に文章を添削する人ではなく、よい作品にしてくれる羅針盤となってくれる編集者がいるかどうか、です。

ですから今回は「良い編集者の見分け方」についてご紹介しましょう。

1. 自分の作品を理解してくれる

最も重視しなければならない点は、あなたの作品の内容やテーマをしっかりと理解し、共感してくれる、ということです。あなたの本に共感しない編集者は、当然ですがその内容がより読者に伝わりやすい文章、構成などを提案することはできません。

その上で作品の強みや弱みを的確に指摘し、改善点をアドバイスしてくれることです。特に「弱みの視的」と「改善方法の提案」ができるかどうかが最重要です。

商業出版社で、ただあなたの本を形として出版し、著者買取で儲ければいいと思っているところの編集者は、あえて厳しいことは言いません。人にネガティブなことを言うのもストレスだからです。

ですから敢えてあなたの作品の欠点を指摘して、なおかつその改善方法まで提案してくれる編集者がいたら、即その商業出版社と契約した方がいい、とまで言えます。

2. 豊富な知識と経験を持っている

次にやはり豊富な知識と経験を持っている編集者がいいでしょう。

ただし、「知識」「経験」は過去のことですから、あなたの原稿が画期的であればあるほど、そのような編集者が優秀かどうかはwからなくなります。

「知識」として比較的重要なのは「最新の出版トレンドを把握している」ことぐらいでしょう。ただしそれも、既に出版されている本の二番煎じをすることにしか役に立ちません。

それよりは「出版」に関係なく、常に新しい情報収集をしている編集者の方が頼りになります。

ニュースやSNSなどで、世の中の人が世代別に何を求め、どのような媒体を利用しているか、と言った一般的で、かつニッチな情報を持っていることが最も望ましいです。

なぜなら、あなたの契約する商業出版社が大手で、かつあなたの原稿を非常に評価し、出版後は大々的なキャンペーン売ってくれるのであれば、広汎な読者層が「何を求めているか」が重要です。

しかし、もしも他社が手を付けていない斬新なコンセプトの本をニッチな読者層に向けて出版している商業出版社であれば、そのような世の中のマジョリティの動向を知っていても役に立たないからです。

3. マーケティング力がある

上の話と関係しますが、作品のターゲットとなる読者を理解している、と言う編集者は頼りになります。

ただ何度も言うように、あなたの本が他の本が書かなかったことをテーマにしているものでであればあるほど、一般的な出版マーケティングの知識は通じなくなります。

むしろ世の中の、一見、出版とは関係ない世の中の動きの中で、新しいトレンドの動向を察知できる、推察力とでも言えるようなマーケティング力を持っているかが重要です。

書評家やブロガーのブログやSNSをチェックしているかどうかも重要です。書評家やブロガーは、常に新しい作品をチェックしており、中には無償で書評を書いてくれる人もいます。彼らのブログやSNSをフォローし、どのような作品を推しているのかを確認することは、新しい出版動向の風向きを知る手掛かりになります。

4. コミュニケーション能力が高い

また出版が決まった後、あなたが1番接するのが編集者です。ですから編集者があなたの意見をきちんと聞き、それを踏まえて意見を言ってくれる高いコミュニケーション力をもっていることも重要です。

高いコミュニケーション力とは、以下のようなものです

  1. 丁寧な話し方: 優秀な編集者は、相手の話にしっかりと耳を傾け、丁寧に意見を述べることができます。日常の会話の中で、言葉遣いが丁寧で、相手を尊重している編集者を選びましょう。
  2. 分かりやすい説明: 優秀な編集者は、専門用語を避け、分かりやすい言葉で説明することができます。複雑な内容でも、論理的に説明し、相手に理解してもらうことができます。日常の会話の中で、説明が分かりやすく、論理的な編集者を選びましょう。
  3. 共感力: 優秀な編集者は、作家の気持ちに共感し、作品に対する理解を示すことができます。日常の会話の中で、あなたの作品や思いに共感してくれる編集者を選びましょう。

5. 信頼できる

編集者との信頼関係は、作品作りを円滑に進めるために不可欠です。誠実で責任感のある編集者を選び、約束を守ってくれるかどうかを確認しましょう。

具体的には、以下の点の有無を確認しましょう。

  1. 責任感: 優秀な編集者は、自分の仕事に責任を持ち、最後までやり遂げます。納期を守ることはもちろん、トラブルがあっても迅速に対応することができます。日常の仕事における責任感や、約束を守る姿勢を見極めましょう。
  2. 誠実さ: 優秀な編集者は、誠実に仕事に取り組み、嘘をついたりごまかしたりしません。常にオープンなコミュニケーションを心がけ、作家と信頼関係を築きます。日常の会話の中で、正直で誠実な言動をする編集者を選びましょう。
  3. 倫理観: 優秀な編集者は、高い倫理観を持ち、不正な行為をしません。著作権や倫理的な問題など

いかがですか。以上の全てを満たすようなスーパー編集者はなかなかいませんが、これらの観点で編集者を分析してより多くの点で該当すれば、あなたの原稿をより良い本に仕立てる上で、非常に大きな助けとなるでしょう。

ただそれは「大きな出版社」にいるとは限りません。むしろ大きな出版社の編集者は「サラリーマン」になっていて、「売れる」本を出すことしか考えていない場合も多々あります。

それよりは、小さな商業出版社に良い編集者がいる可能性もありますので、会社の規模という要件は頭の中で頭の中で外してフラットな視点で、編集者を評価した方が良いでしょう。