時代遅れのRocn’nRollBand

本当に時代遅れの曲

紅白歌合戦で初めて聞いて、Amazon musicに入っているので改めて聞いたけれど、まさに時代遅れでした。

確かに桑田佳祐(敬称略、以下人物は同じ)が作った曲なのですが、敢えて言うなら「帰って来た酔っ払い」と内容もコード進行も旋律をほうふつとさせます。

何か自分が高校の時にやっていたフォークデュオで、学年でも結構名の売れている(何せ中高の6年間、同じ200人なので少しでも特徴のある人間は覚えてしまう)級友をからかって作った歌にそっくりでした。つまりその程度のレベルです

時代遅れのマイルド左派の曲

しかし、このメンバー(桑田佳祐、佐野元春、 世良公則、 Char、 野口五郎)なら、「遥かな轍」くらいの曲を作らないと失礼だろうと思います。それで、各自がコンサートのラストやアンコールでお互いを招いて演奏するくらいの曲にしないと、せっかく集まってやる意味がありません。

また詞にも文句があります。

そもそも彼らは、団塊の世代の次の「しらけ世代」と言われる人たちですが、多くの人は団塊の世代の「政治活動に失敗する」姿を見ているので、政治的な発言は少ないのです。

しかしなぜかミュージシャンになるとこの世代だけ、「微妙に政治的」になります。それも団塊の世代の遺伝子が少し残った状態で「9条改正反対」「原発反対」などそれこそ「時代遅れ」の左派の主張をします。

なので、この歌の中にも

「平和という文字がおぼろげにかすんで見えるんだ」

「No more No WAR 悲しみの黒い雲が地球を覆う

 力の弱い者が 夢見ることさえ 拒むというのか」

と言った言葉が並びます。

なぜ自分たちを「弱い人間」だというのか?

私はこれが非常に不満です。

彼らは「力の弱い者」ではありません。

コンサートをすれば何万人も集められたり、少なくともTwitterなどで呟けば何万という閲覧がつく人たちです。

その力があるくせに「弱い人間」のふりをして、堂々と発言をすることから逃げているのです。

つまり主張を批判されたら「自分たちは小さい人間何で、そんな影響力有りませんよ」という及び腰の主張なのです(一方の見方では、「ビジネス」への悪影響を考えているのです)

その点、長渕剛は偉いと思います。

彼のかなり情緒的保守はあまり好きではありませんが、しかし今彼はコンサートで「北海道の土地が外国人にどんどん買われている。それをみんなで防ごう!」とMCで大声で訴えています。

その内容もさることながら、自分の発信力の強さを、しっかり自覚して使っている点が偉いと思います。

彼は非常に潔いと思います。

野口五郎と佐野元春の格の差

あと、余話ですが、野口五郎がわざとらしいだみ声で歌っているのが笑わせます。

彼は何かロックを勘違いしているのでしょう。別に普通の「私鉄沿線」を歌った声で歌えばいいのに。

その点佐野元春は、短いパートしか歌いませんが、一音出しただけで佐野元春の世界にしてしまってさすがです。