「やる気」は「レディネス・ポテンシャル」で火が付く

脳科学的に言って「モチベーション」はなぜ起こる?

前回、前々回と少し難しい話をしてしまったので、今回は少し軽い話にして、「中休み」にしたいと思います。

と言ってもモチベーションのあり方を脳科学の観点で明らかにしている大黒達也氏の「モチベーション論」(2023年 NHK出版)を参考にしていますので、言ってみれば最新のモチベーションの上げ方の話です。

やらなきゃいけないことがある、と言う時になかなかエンジンがかからない、と言うことはよくありますよね。私も特に夜中書き物をして、明け方寝て、また9時ころから始めるので、この9時台と言うのはまさに魔の時間です。

頭は動きませんし、何より眠い。気づくとディスプレイ上に「xxxxxxxxxxxxxxxx」なんて文字が呪文のように並んでいることがしばしばです。

社訓の唱和も意外とモチベーションを上げていた

そういう時、昔だったら「さあやるぞ!」と自分に声をかけたり、全員で「社訓を唱和」して始めましたが、何だかウソっぽいし、体育会系っぽいので全くする気になれないと思ってバカにしていました。

しかしそれがどうもバカにしたものでもないようです。

まず「仕事で乗ってくるため」には何からしなければならないかと言うと「やる気」ですよね。ではその「やる気」は何から生まれるかと言うと、明確な答えがなく、人ぞれぞれ、無理やり身体を動かし始めると10分後くらいには何とかなっているという人もいれば、「伸び」を思いきりして「さあやるか」と心の中で呟く人もいます。

「やる気」が起きる前に「レディス・ポテンシャル」という前段階がある

つまり「やる気」はすぐに起こるわけではないのです。だからこそ「やる気が上がらなくて困る」ということになるのですが、それは脳科学的に言うと、運動開始より200ミリ秒前に「やる気」が発生し、さらに350ミリ秒前に「やる気」を引き起こす「何か」が起こっているのです。

脳科学ではそれを「レディネス・ポテンシャル」と言うようですが、簡単に言えば「やる気スイッチ」です。

そういう意味では「さあやるぞ!」と大声を出すのも、レディネス・ポテンシャルとして機能する可能性があります。私はあまり好きではありませんが、野球などで攻撃前に円陣を組んで「●大ゴー!」なんて叫ぶのも、選手のモチベーションの上がるレディネス・ポテンシャルを起こしているとすれば十分に科学的です。

「やる気コンサルティング」のベース理論「SARC」でも「レディネス・ポテンシャルは取り上げていた

そういう意味で私たちが「やる気コンサルティング」でやる気になるために、その人のタイプに応じて「1日のスケジュールを作り・確認する」「今日の目標を壁に貼って確認する」などを提案しているのは、この論理に当てはめればレディネス・ポテンシャルになるので、脳科学の点で言っても「やる気コンサルティング」の基礎理論である「SARC」は正しい、ということが確認できそうです。

ですからもしも「やる気」が出なくて困っている方はぜひご相談ください。あなたの「やる気スイッチ」を一緒に見つけさせていただきます。