「最凶のヒグマ」と言われた「OSO18」
2010年頃から姿を現し、今まで合計66頭の乳牛を襲い、そのうち32頭を食い殺し、ついには「OSO18」とコードネームがつけられたヒグマの存在が、頻繁に報道されるようになしました。。
そのヒグマは非常に頭が良く、痕跡を残さないよう川の中を歩いたり、舗装道路に足跡をつけないように橋の下から迂回していたし、ハンターの夜間の猟銃発砲が禁じられていることを知ってるかのように、カメラに映るのも22時から午前2時くらいまでの真夜中であり、罠を仕掛けてもまるで人間の魂胆など分かっていると言わんばかりに巧妙にそれを避けるという具合で、それも併せて「最凶のヒグマ」と恐れらていました。
「最凶のヒグマ」駆逐される
しかしその「最凶のヒグマ」がついに駆逐されたのです。
私は、この話をずっとニュースレベルですが、勝手に追っかけていて「まるで『老人と海』の老人と白鯨のようだ」と思っていました。
ですから、勝手にOSO18が駆逐されるとしたら、老いた猟師が1週間ずっと隠れて、干し肉だけで空腹を満たし、OSO18が現れるのをじっと待ち、ついに現れたがいくら撃っても斃れずに、老猟師を襲おうとするのに対して、冷静に何発も撃って、ついには駆除した、というロマンを望んでいたんですが、そうはなりませんでした。
もちろんOSO18が人間を襲う可能性もあるわけですから、地元の方にとってはどのような方法であれ、とにかく駆逐することが大切で、私のように勝手にそこに物語を望むのは不謹慎だということは十分に分かっています。分かった上で、「興味半分」の気持ちでニュースを追っていました。すみません。
「最凶のヒグマ」はあっけなく駆除された
そのOSO18を駆逐したのは、老猟師でも、猟友会のハンターでもなく、釧路役場の有害鳥獣駆除対応を担当する部署に所属する40代の男性職員でした。
おまけにその経緯は「酪農家からヒグマの目撃情報があったので、その農家と知り合いの職員が顔見知りなので、『んなら、見とくわ~』という軽い感じで、パトロールしていたところ、草朝5時に地で横たわっているヒグマを発見し、職員を見ても逃げなかったので、まず首に1発撃ち、近づくと動いたために頭部に2発撃ったところと、まもなく絶命した」という具合の、私の期待していたものとは正反対のまさにアンチクライマックス的な駆除だったのです。
おまけにその職員は自分が駆除したのが「あの、OSO18」だとは気づかなかったようで、解体した後、念のためDNA検査をしたら「OSO18」だったということでした。
その職員も、町役場の人たちもそのことに驚いたようです。
猟友会のハンターたちは「手柄」を持っていかれたことに悔しがっているかと言うとそのようなことはなく、数千万円の被害を酪農家に与えていた害獣が無事に駆除されて一様に喜んでいるようです。
まだ「最凶のヒグマ」はいる
しかし、どうもこれで「老人と海」の話が終わりではないようです。
というのも、OSO18が草むらに寝転がっていて、職員を逆に襲ってこなかったことがおかしいのです。それには理由があり、すでに顔に2箇所の傷があり、そこから菌が入ってなんらかの病気になり、弱っていたたのではないか、でなければ朝5時に牧草地で横たわっていることは考えられないようなのです。猟友会の人によれば、おそらく繁殖期に別のヒグマと争い手傷を負わされたのではないか、ということで、ということはOSO18より強いヒグマがいる可能性があるということなのです。
ということで「老人と海」の話はまだ続きそうです。
大人気のOSO18の肉
この話には「おまけ」がありまして、これだけ世間を騒がせた「最凶のヒグマ」の肉を食べてみたいという、私のようなミーハーな人が世の中にはたくさんいて、ネットで解体した肉を売り出したところ、大変高額な値段がついているらしいです。
確かに私もぜひ「OSO18」の熊鍋は食べてみたいですものね。
(情報は「集英社オンライン」https://news.yahoo.co.jp/articles/cee1ec82e5310f75ab2b99073c9d602630e0a22c)